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コラム
2017.06.30
コラム

2011年3月11日に発生した東日本大震災、そして福島第一原子力発電所事故。

日本中の人に多大な影響を与えたこの出来事についての、重大な裁判が始まりました。

 

私ごとになりますが、私は当時、岩手県沿岸にいました。そして、現在も原発事故被害に関する弁護団に所属していますし、何よりこの裁判の検察官役を私の刑事弁護の師匠が務めていることからも、とても注目しています。

 

本日のハイライトは、検察側と弁護側の冒頭陳述です。

つまり、この裁判を通じて、双方が証拠に基づいて、何を立証していくのかが語られました。映画でいう予告番のようなものです。

 

このうち、検察側の冒頭陳述がネット上にありましたので紹介させていただきます。

検察側冒頭陳述

 

 

冒頭の一節と結びの一節は以下のとおりです。

 

 

1テーマ
人間は、自然を支配できません。
私たちは、地震や津波が、いつ、どこで、どれくらいの大きさで起こるのかを、事前に正確に予知することは適いません。
だから、しかたなかったのか。
被告人らは、原子力発電所を設置・運転する事業者を統括するものとして、その注意義務を尽くしたのか。
被告人らが、注意義務を尽くしていれば、今回の原子力事故は回避できたのではないか。
それが、この裁判で問われています。

 

被告人らが、費用と労力を惜しまず、同人らに課された義務と責任を適切に果たしていれば、本件のような深刻な事故は起きなかったのです。

指定弁護士は、本法廷において、このような観点から、被告人らの過失の存在を立証します。

 

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