私は小さいころから「不合理」なことが大嫌いな子どもでした。
不合理に思えば、兄弟にも親にも、学校の先生にもどんどん主張してきました。言っては泣かされる、いじめられたりもしました。大学を卒業して会社に入り、サラリーマンになった私は、営業で工場をまわるようになりました。そこで、リストラや倒産、離婚や不当解雇など、社会に溢れている不合理を知りました。せめて、自分の周りからだけでも不合理をなくしたいと思い、脱サラして弁護士を目指しました。
あなたはいま、不合理な思いをしていませんか?
弁護士になる直前の1年間を、私は沖縄で過ごしました。沖縄の空と海、そして何よりも人の温かさに惹かれ、沖縄で人生を過ごしたい、沖縄の方の役に立てる一人前の弁護士になったら必ず戻ってこようと決めました。
弁護士になってからは、「弁護士向け研修の講師」を務める弁護士が所属する、東京渋谷の桜丘法律事務所に入所しました。刑事弁護のプロ中のプロ神山啓史弁護士をはじめ、先輩方に教えを乞い、腕を磨きました。
ある程度の経験を積んだ私は、その経験をより多くの人の役に立てるため、日本全国の中でも特に弁護士が少ない地域である岩手県宮古市の公設事務所の所長に立候補しました。弁護士が近くにいない、というのは法律がないのと同じだ、それは改善しなければならないと考えたからです。
岩手県宮古市では年間300件以上の相談を受けるとともに、借金、離婚、相続はもちろん、企業倒産や重大な刑事事件まで、様々な事件を扱いました。地方自治体の各種委員なども務めさせていただきました。
2011年3月11日、私がいた岩手県宮古市に1000年に一度の津波が押し寄せ、多くの方が亡くなりました。震災直後、私は、脱サラするときに医者や消防士にならず、弁護士になったことを後悔しました。しかし、それでも弁護士にしかできないことがあるはずだと考え、震災の7日後、まだ時期尚早だという反対の声を押し切り避難所に足を運び、全国で最初の避難所相談を行いました。その後避難所相談や仮設住宅相談はもちろん、各種立法提言も行うなど、被災者支援活動に奔走し続けました。
震災後の壮絶な試練は、私に多くの経験と技術を身につけさせてくれました。
岩手県宮古市の公設事務所を地元出身者に引き継いだ私は、震災復興のスピードを加速させる法律をつくるため、そして自分の技術を確かめるために東京に戻りました。東京では、家庭やお金の事件はもちろん、企業経営者からの相談や、「自分は犯人ではない」という事件の裁判員裁判、NPO法人の事務局長や日本弁護士連合会の非常勤嘱託弁護士、原発事故被災者弁護団、そして国会議員をまわっての立法活動などに汗を流しました。
震災から丸5年を迎えたことを受け、一人前の弁護士になったら沖縄に戻ってこようという当初の想いを実現するために、沖縄に戻りこの事務所を開業しました。那覇市ではなく南部の八重瀬町を選んだのは、八重瀬町をはじめ、その周りの地域、糸満市、南城市、南風原町、与那原町に弁護士が一人もいなかったからです。
本島南部の方にとって、弁護士は「那覇まで行って相談するもの」だったのかもしれません。確かにそれで足りていた部分もあったかもしれませんが、私は「弁護士はもっと身近な存在であるべきだ」と考えています。この理由から、弁護士がいない地域の真ん中である八重瀬町で看板を掲げることにしました。
※当事務所は、2020年12月まで、沖縄県島尻郡八重瀬町伊覇で営業しておりました。その後、事務所物件の賃貸人都合により移転を余儀なくされ、八重瀬町内でめぼしい物件が見つからなかったため、八重瀬町になるべく近い那覇市国場に移転しました。
弁護士という仕事は一種の用心棒だと思っています。不合理なことで苦しい想いをしている人に代わって、腕力の強い人、声の大きい人、そして権力に立ち向かうための、力強い助っ人です。ぜひ、あなたが抱えている悩み、不合理な思いを私に聞かせて下さい。あなたのお役に立つために、彼らの力に負けないために腕を磨いてきました。結果をお約束することはできませんが、全力を注ぐことはお約束させて頂きます。
そして、もし事件が無事解決したら、この地域のことを少しだけ私に教えて下さい。少しずつ勉強することで、より地元に密着した弁護士を目指し励んでいきたいと思います。
事務所名について
事務所名の「南山」は、古琉球の一時代、三山時代から拝借しました。 当時の南山地域の方に、東京にも中山にも北山にも負けない、 最高の法律サービスを提供すること、それがこの事務所の目的です。
南山法律事務所のロゴマークについて
本と日の出には「法と知識で、夜明けを迎えるお手伝いできる存在でありたい」 という想いを込めています。トラブルや悩みを抱えると、それまで明るかった景 色が暗くなり、ときには真っ暗で終わりが無いように感じることもあります。 しかし、終わらない夜はありません。暗くなったときこそ役に立つのが法律です。 ぜひお気軽にご利用ください。