災害対策本部の本部長が、安倍総理ではなく、河野大臣(防災担当)であることが判明しました。
安倍総理が本部長になる、最も権限の強い災害対策本部もあるのですが、それは現在も使われていない、ということです。とんでもないことです。
ベストを尽くしていない、という点でもそうですが、現行法制度上ある制度を全然使い尽くしていないのに、4月15日の時点で「憲法改正」「緊急事態条項」に菅官房長官が言及していたことを含めると、尚更とんでもないことです。
哀しいことですが、政府には考えを改めて、姿勢を変えていただく必要があると思いますので、ぜひシェアをお願いします。
(この件は民進党の蓮舫議員の指摘で気づきました)
1 「緊急災害対策本部」と「非常災害対策本部」
まず、災害対策基本法が定める災害対策本部には、
最上位の「緊急災害対策本部」とその下の「非常災害対策本部」があります。この二つの本部は名前が違うだけでなく、権限、つまりできることにも差があります。
阪神淡路のときも非常災害対策本部で対応されたようですが、これは当時の法律が、災害緊急事態の布告をしないと「緊急災害対策本部」が招集できないものになっていたからです。
(この教訓を踏まえた改正が1995年になされ、緊急災害対策本部は招集されやすいものになりました)
そして、緊急災害対策本部を初めて招集したのは、民主党の菅総理、3.11のときです。法制度上最大の権限を行使できるようにした、ということです。
その後の災害、例えば広島豪雨災害も、「緊急災害対策本部」ではなく、「非常災害対策本部」で対応されています。
よって、4月14日の最初の震度7の地震のときに招集されたのが、非常災害対策本部であったことは、それなりに合理的だと思います(とはいえ、阪神淡路の教訓を踏まえて緊急災害対策本部の招集がされやすい改正がされていることを踏まえると、この時点で緊急災害対策本部、という選択肢もあったように思います。)
しかし、4月16日未明のM7.3で次元が変わりました。被害は深刻に、そして範囲が拡大しました。
よって、この時点で法律に基づき、非常災害対策本部から緊急災害対策本部への移行を行い、安倍総理自ら本部長に就任し、緊急災害対策本部だからこそ認められている権限も含めて、最大限の措置をとる必要があります。
しかし、それが今持ってなされていません。
そして、権限のこともそうですが、政府は最大限の努力をしていることを被災者や被災地の首長に示す必要があるのですが、それが今もってされていないということです。
2 他の対応にも見える政府の姿勢
他にも、激甚災害の指定もまだですし、被災者生活再建支援法の適用もまだです(全壊戸数からすれば熊本県に適用できます)。また、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律による特定非常災害の指定もされていいません。大分県には災害救助法の適用がされていませんし、大分県の全壊戸数が0のままです。ホンマかいなという気もしています。
要するに、政府は4月14日の震度7のときの体制のままであって、4月16日のM7.3を受けた体制になっていないし、TPPの審議を始めているところを見ると、頭の中もM7.3モードになっていないのだと思います。
3 政府にがんばっていただきたい
被災者の命がかかっている問題です。次元が変わったことを理解し早急に頭を切り替えて、体制も切り替えて取り組んでほしいと思います。
ぜひ切り替えていただいて、私も含めて、心から応援できる政府になってください。
私も一国民です。こんなときに政府は批判したくありません。しかし、今回の政府の対応はあまりにも酷すぎます。外圧によってショックを受けていただくしかない、と思っています。ぜひ認識を改めて、政府には体制見直しも含めて全力を尽くし、頑張っていただきたいと思います。