『災害は憲法改正の理由にならない-“憲法審査会ウォッチャー”が語る憲法論議の現在地-』
【2024年5月10日 i女のしんぶん】
当事務所の弁護士小口幸人の記事が、i女のしんぶんに掲載されましたので報告いたします。
i女のしんぶんとは、「日本国憲法の保障する豊かな生活と民主的権利を勝ち取り、世界の平和と女性の完全な解放を目指すこと」を目的として活動しているi女性会議(あいじょせいかいぎ)が発行しているもので、1962年に日本婦人会議として結成された、60年以上の歴史をもつ団体による新聞です。
本紙において弁護士小口は、現在憲法審査会で議論されている、国会議員任期延長としての緊急事態条項について、
『そもそも、災害で選挙ができなくなるという問題なのですから、この答えは「選挙制度を改め、災害が起きても実施できるようにする」というものです』
と任期延長の議論以前の、重要課題を指摘します。
この言葉からも分かるように、2016年頃から現在に至るまで、憲法審査会では、改憲を前提とした議論が展開されるばかりで、肝心の災害時でも選挙を維持するための検討が全くされておらず、何ら問題解決のための議論がされていないのです。
そして小口はこう続けます。
『-省略- 話はシンプルです。災害で投票所の確保、投票所までの交通手段の確保、投開票の人手が足りないというなら、郵便やインターネットを利用すれば良いじゃないかという普通の公職選挙法改正の議論です。ぜひ、世界一災害に強い選挙制度にしてほしいと思います。』
選挙は、私たちが政治に参加するため、私たちの声を国会に届けるため大切な権利です。
この大切な機会を奪われてしまうことは、たとえ災害があったとしても、あってはならないこと。むしろ、災害が発生してしまったからこそ、これからの社会、生活を守るために選挙が重要になってくる場合もあります。
私たちの国、私たちの政治は、誰か特定の人によってコントロールされるべきものではありません。私たち自身で監視し、守っていかなければなりません。
《事務局》