話題のドラマ「99.9」の第4話を見ました。
※コラムの中にドラマの内容にかかる記載がありますので、まだご覧になられていない方はご注意ください。
このドラマ、弁護士の間でも評判は上々です。
素晴らしい刑事弁護人である、髙野隆先生や宮村啓太先生が協力されているのも納得です。
第4話も面白かった。
まず、このドラマは、第1話から一貫して、
刑事弁護人の二つのノウハウが描かれています。
・一つは「現場百回」とも表現される、現場に行くことが重要であるというノウハウです。
今回も現場に繰り返し足を運んだことで、店内の音に気づくことができました。
・二つ目は反対尋問の手法です。
嘘の供述をピンでとめ、矛盾した事実を突きつけるという、3つのCと言われる手法です。
今回も、詐欺を働いた人々を自白させるのに使われました。
第4話のうち、
・バーのオーナーが借金を多く抱えていることを突き止められたこと
は実際は難しいと思いますし、
・詐欺を働いた二人を事務所に呼んで切り違え尋問をしてしまうこと
もちょっとそれは…、という気もしますが(こちらは不可能ではありませんが)、
他はあり得なくはない、面白いと思いました。
特に、緑色のタクシーを探すところは、
弁護士によっては「無理無理」というかもしれませんが、私はあり得ると思います。
以前、東京にいるとき、六本木で発生した外国人同士の傷害事件の弁護を引き受けたことがあります。
捕まったのは外国人の旅行者、私はやっていない、という否認事件でした。
夜、麻布警察署で接見した私は、事件の発生時刻に近かったことから、
そのまま終電に乗らずに聞き込みを始めました。ドラマみたいですよね。
場所は六本木の目抜き通り、道路には、呼び込みのスタッフがたくさんいました。
彼らのほとんどは外国人でしたが、聞き込みをしたことで色々なことがわかりました。
(名刺を渡して、こういうものですが、一昨日の夜この辺りで…、という感じです)
さらに翌日、事務所に「名刺をもらった」という外人から電話があり、
「知り合いが事件を見たと言っている」という連絡が入りました。
この事件の「真実」は、無実ではなく、
実際に傷害事件が起きていた、ということでしたが、
その内容は、警察が見立てていた内容よりは、よほど軽い傷害事件でした。
一連の調査委結果を本人に話し、
「あなたの国では違うかもしれないけれど、日本には罪を認めて謝ることが大事だ、という文化がある」
というような話をしたところ、実は…と話し出しました。
事件は一気に進み、検察も防犯カメラから筋を変え、
略式罰金ということで事件は終わり、無事彼は帰国しました。
別れ際に「お礼に国に戻ったらかっこいいGパンを送るよ」と彼はいっていましたが、いまだに届きません…。
さて、話が少しそれましたが、今回の第4話では、
本当はやっていないのに、罪を認めて外に出た被疑者の「その後」が描かれていました。
やっていないことを認めて外にでるより、とことん争う方が好きな私にとっては、この描写が嬉しかったです。
特に娘さんから「私はお父さんを信じていたから学校で何を言われても我慢できたのに…」という一言はリアルでよかったです。
当事務所では刑事事件に力を入れています。
自白事件ももちろんですが、否認事件は大歓迎です。より一層気合いが入ります。
ぜひ、何かのときにご利用下さい。
ちなみにこのドラマ、榮倉奈々が新日本プロレスファンというのも最高です(^_^)
毎回、違う選手がネタになっていますが、
今回の「片翼の天使」とピストルのポーズは、
BULLET CLUBのケニー・オメガの必殺技と決めポーズです。