『新基地反対 民意は明確』『選挙結果で上書きされぬ 識者談話小口幸人弁護士』
【2022年2月24日(木) 沖縄タイムス 2面】
当事務所弁護士小口幸人の記事が新聞に掲載されましたので報告いたします。
名護市辺野古の米軍新基地建設に賛成か否かを問う『県民投票』が2019年2月24日に行われてから3年が経ちました。
2014年11月の知事選や同年12月の衆院選においては、辺野古新基地建設が最も大きな争点になり、2018年9月の知事選においても新基地反対を掲げた現知事玉城デニー氏が当選し、「辺野古反対」の民意が示されました。
一方で、県民投票が実施されてからのこの3年の間に、政府の強行で新基地建設が徐々に進んでいることや、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大から、有権者の関心は「経済」や「生活保障」に移り変わっていることも、2021年10月の衆院選や2022年1月の名護市長選挙の結果からも明らかになり、新基地反対の民意は必ずしも結果には反映されていません。
ただ、名護市長選投開票前の市内有権者向けの世論調査では、新基地建設に「反対」「どちらかといえば反対」は、今も62%を占めており、民意が以前変わっていないこともうかがい知れ、『国会議員や首長を選出する選挙の結果で、県民投票の民意が上書きされることはない』と小口は述べています。
県民投票条例10条2項は「県知事に結果尊重義務を定めている」ことも示し、『仮に県知事選が変わったとしても、県民投票の結果を尊重する義務を負っていることに変わりは無く、県民投票と異なる行動を取る場合は、明確に示し県民の賛同を得なければならない』ともお伝えしています。
実際、コロナ禍でこれまでの生活は一変しました。
観光をはじめとする「第三次産業」の就業割合が高い沖縄県においては、
『日々の暮らしが最優先事項』に変わり、言い換えると、『毎日の生活を守ること以外考える余裕がない』
…そんな状況の方々も多いのではないでしょうか。周りの状況を見ていてもそう感じます。
3年前の県民投票前は、「県民投票に行こう!」「民意を伝えよう!」という呼び掛けやイベントを見聞きした記憶があり、もちろん投票にも行きました。そこに意識もありました。
ここで賛否を投票し民意を示すことは、必ず未来に繋がっていき、今投票権のない子ども達の将来にも関わってくる以上、投票する責任があると思ったからです。
小口がお伝えするとおり、条例において「県知事には結果尊重事務が定められている」と知り、県民投票に関心をもち、投票という形で参加していて良かったと感じました。
時折、自分たちの生活を守ることで手一杯なのに、政治や社会に興味を持ち続けアンテナを張っていないと置いていかれそうになり、“当事者”で居続けるのって大変だなと感じることもありますが、民意を伝えられる貴重な機会を大切に、生活を続けていきたいと感じました。
《事務局》