この度の台風6号により、お怪我をされた方、被害に遭われた方におかれましては、お見舞いを申し上げます。また、お亡くなりになられた方には心よりご冥福をお祈り申し上げます。
1 住家被害
住家の被害を受けた場合、ア保険、イ公的支援、ウ住宅ローン関係の三つを考える必要があります。
その上で、どの関係でも必要となるのが、「片付け」と「り災証明」の申請です。
こちらの資料が大変充実していますので紹介させていただきます。参考にしてください。
■「水害にあったときに(浸水被害からの生活再建の手引き)」(震災がつなぐ全国ネットワーク編)
https://shintsuna.org/img/tools/suigai_leaflet_2306.pdf
住家被害を受けた場合は、どの場面でも「り災証明」が必要になってきます。
まずは最寄りの役場でり災証明の申請をしましょう。
ア 保険
既に動かれている方も多いと思いますが、火災保険等を活用する場面です。
保険会社は「台風6号により被害を受けられた方へ」といった特設サイトを設けています。
何らかの被害が発生していた場合は、まずは問い合わせてみましょう。
また、保険料の支払いについても、延期等を受けられることがありますので、保険会社にお問い合わせください。もし、保険会社の被害認定に納得がいかない場合は、ぜひ、当事務所にご相談ください。
イ 公的支援
り災証明書で半壊以上の認定を受けた場合、国の制度である応急修理制度を利用でき、最大65.5万円(令和4年基準)の補助を受けられます。
大切なのは、修理等をした後問い合わせではなく、修理等をする前に最寄りの自治体に問い合わせ、補助金をちゃんと受けられるよう手続きをすることです(なお、半壊以上の被害を受けた場合、災害復興住宅融資等、各種有利な融資制度も利用できます。)。
もしうまくいかない時には、どうぞ当事務所にご相談ください。
その他、地方自治体の判断によっては、今後も含めて、自治体独自の支援を受けられるようになることもあります。他の災害では、見舞金等、様々な例があります。
ウ 住宅ローン
台風6号の影響で住宅ローンの返済が滞りそうな場合、金融機関に相談することで、返済方法の変更等を受けられることがあります(なお、県内金融機関は、被災された方を対象にした特別な融資制度を設けたようです)。
これを超えて、そもそも返済困難、近い将来に返済不能になりそうという状況の場合、被災ローン減免制度(自然災害債務整理ガイドライン)という特別な制度を利用できる可能性がありますので、下記3をご覧ください。
2 車の被害
最近は自動車保険といっても、商品の内容が様々なので一概に言い切れないのですが、基本的には、車両保険を付帯している場合は、自然災害による被害について、保険の支払いを受けられることがあります。
車両保険を付けている方は、保険会社にお問い合わせください。
3 支払い関係(債務整理)
台風6号の影響で、借金の返済等をすることができない、または、近い将来返済できなくなる場合は、被災ローン減免制度(自然災害債務整理ガイドライン)を利用できます。
弁護士費用無料で、ブラックリストにも載らず、破産等より有利な条件で債務の減免が受けられるという被災者にとって有利な制度です。
利用方法は、最大債権者から同意書をもらい、沖縄弁護士会の窓口で申請するという方法です。
他方で、周知が十分でない制度でもあります。県内金融機関窓口でさえ、適切な案内を受けられないことがあると思われます。
詳しく知りたい、利用しようとしたが債権者から使えないと言われたなど、お困りの場合は、何なりと当事務所までご相談ください。
4 風で壊れた(相隣関係等)
今回の台風6号では、非常に強い風が吹いたため、風で壊れた、風で飛んできたもので壊れた、風で倒れて壊れたなど、様々な被害が発生しています。
また、台風の影響で傾いているが、そのまま放置されて心配など、様々なトラブルが現存しているのではないかと想像しています。
被害について、火災保険の適用が受けられ、被害全額分の支払いを受けられて解決するのであればよいのですが、そうならないこともあると思われます。
誰かが台風対策をしっかりしていなかったから風で飛んで、そのせいで被害を受けた場合など、被害分の損害賠償請求が可能になることもありますので、お困りの場合は、どうぞ当事務所までご相談ください。
5 自治体関係のみなさまへ
り災証明の運用や、内閣府防災とのやりとり、災害救助法の運用や、応急修理制度の運用など、各種対応について、困難に直面されているのではないかと想像しています。
手前みそですが、沖縄県内で、もっとも災害関連に詳しい法律家は当事務所の弁護士小口です。内閣府防災に言われたがどうしようもないのかなど、様々なご相談に応じることも可能ですので、遠慮なくお問い合わせください。
災害救助の場面では、自治体がどれだけの知識をもっているかで、被災者が受けられる支援は変わります。ダメといっていた内閣府防災が、過去の例や理由付け等を変えることで対応を変えることも十分にあり得ますので、うまくいかない時には、どうぞご相談ください。
(弁護士 小口幸人)